塾長の夏季研修②
富士山は活火山。数百万年前から何度も噴火を繰り返し、姿を変えながら現在の形になったという。中学理科でも火山活動について学習するが、地中のマグマが冷え固まって岩石ができる。これを火成岩という。地下深くでゆっくり冷え固まると深成岩、地表または地表付近で急激に冷え固まると火山岩。冷え固まり方(時間の長短)の違いが組成の違いとなってあらわれる。それぞれ等粒状組織、斑状組織という。ゆっくり時間をかけると均一なものに、急ぐと斑(まだら)になるのは、モノ作りでも同じかな?
さて、噴火が起こると、火口からいろんなものが飛び出してくる。火山弾、火山れき、火山灰、火山ガスなどは大気中に放出され、斜面を流れ出るのが溶岩。富士山の麓には、この溶岩が広がってできた地層がたくさんあるという。
青木ヶ原一帯は、平安時代初期の864年(貞観6年)に起きた大噴火(「貞観大噴火」という)により、溶岩に覆われた。当然、それまで生い茂っていた草や木は死滅してしまう。それから1100年以上の時を経て再生したのが、青木ヶ原樹海である。溶岩の上に長い年月をかけて土の層が作られてきたというが、それでもわずか数センチほどしかなかった。
写真は溶岩の層が露出しているところである。こんな過酷な土壌の上に懸命に根を張り、成長していこうとする植物って、健気でかわいくて、すごいと思わない?